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コクヤがサングラスを身につけるワケ

「○○が○○になったワケ企画」の第2話です!
今回はコクヤの過去に触れたお話になってます。

それではどうぞ!!

*****
あーあ・・・。
俺様としたことが駄目だ、眠れない。
原因は誰に言われなくても分かるさ、あの記憶のせいだ。
年に何回か昔を思い出す時がある。
もう何年も前の事なのにな、・・・どうにかしてるぜ。
起き上がって頭を掻きむしってみる。
チクショー、駄目だ駄目だ!
さっきまで朧げだった記憶が余計にはっきり頭に蘇る。
今の生活が平和過ぎるからだろうか。
こりゃ当分眠れそうにない。
観念して再び寝転んだ。
懐かしい記憶が蘇ってくる、そう、まだ俺様が隠密をやっていた頃の事・・・。

「第3小隊『月宵』、メンバー全員揃いましたっ!」
「ご苦労。それにしてもコクヤはよく働くな、仕事も出来るし。お前が今日で辞めちまうなんてもったいないわ、やっぱり。修行の旅なんて行かなくてもいいんじゃないか?」
「褒めて頂きありがとうございます。でも俺なんて仲間無しでは何もできませんよ・・・。だから修行するんです。」
「みんなお前を頼りにしてるんだがなぁ。まぁ、俺にはお前を止める事は出来ないからな。さて、そろそろ本題に入る。みんなよく聞け、コレが今夜の任務だ――――」

少しずつ明るくなる空の下に足音が響く。
「はーっ、もう明け方ですね。」
そう言いながら、頬のかすり傷を擦る。
「そうだな。なかなか大変だった。コクヤ、今日も大活躍だったじゃないか。やっぱ残らないか?俺たちのトコに。」
「いや先輩には敵いませんよ。結局最後まで助けられっぱなしだ・・・。だからやっぱり・・・。」
「バーカ!嘘だよ!!明日から一人旅だってのに何弱気になってんだ!さ、本部に報告行ったらそのまま打ち上げ行くぞオラ!」
「え?打ち上げすか!?わざわざ俺の為にですか?ありがとうございます!」
「お前がみんなと逢う事はもうないだろうからな、・・・隠密って仕事柄仕方ない事だが。」
覚悟はしていたけど、実際にそう言われると少しためらいの思いが出てきてしまって俺は会話を続けられなかった。

こんな時間に店にいるのは俺たちだけ。
さっきの任務の時とは違う和やかな空気、楽しげな声。
でも何処かが冷たい。
明日からはもうこの空気を共有する事はないと思うからなのだろうか・・・。
「ほれほれ!コクヤもっと飲め!」
「隊長いいですよ、自分で注ぎますって!」
「いーんだよ!今日はテメーが主役だろ??」
「いいですって!あー、こぼれますよっ!!」
ビールジョッキから泡が溢れ出しそうになって慌てて口を付ける。
ギリギリセーフ。
「もう、隊長!!だから言ったじゃないですか!」
「細かい事は気にすんなって!もっとテメーは器のデカい男になれ!このご時世だ、そんなんじゃモテねーぞ?せっかくの色男がもったいないぜ、なぁみんな?」
「その通りだ、よっ!!この色男が!」
酒のせいなんだか、みんないつもより明るい。
「それとこれは違いますよ!」
「おいおい何アツくなってんだい?からかい甲斐があるぜ、アハハ。」
「もう!止めて下さいって!」
「おい、コクヤ赤くなってねーか?」
「そ、そんなことないですっ!」
バン!!
おどけて立ち上がって両手で机を叩いた。
目の前のジョッキの中身が揺れる。
別に本気で怒ってる訳ではないけど、ただちょっと大袈裟に反応してみただけ。
「ちょ、お前何ムキになってんだよバーカ!!」
そう言い終わった隊長の目が少し変わった。
「って、おい、どうしたお前?」
目の前の顔が急に真剣になって空気も変わる。
みんながこっちを見た。
揺れていたジョッキの中身はいつの間にか落ち着いている。
理由も分からず、そんな空気がただただ痛くて思わず問い返す。
「へ?どうしたって何がですか?」
一瞬の間があった。

どうしたも何も、お前泣いてるじゃないか・・・。
「やだなぁ、そんな訳ないじゃ―――」
ぽとり。
落ちた雫はジョッキの水滴じゃなかった。
俺、泣いてるのか・・・?
無意識だった時は悲しみの破片もなかったのに、気が付いてしまうと心にしまったつもりだった思いが溢れ出してきた。
「・・・、ごめんなさい。こんなつもりなかったんですけど、うっ、やっぱり、自分で決めたけど、ううっ、別れるのは辛いです・・・。二度と会えないなんて、ひっく、みんなと、もっと一緒にいたいよ・・・。」
分かってるのに。
そんな事、口に出しても叶わないって。
隊長が静かに口を開く。
「コクヤ、みんなお前と同じ気持ちだ。だが、それは許されぬ事よ。お前と我々はもう交わる事はない。強さを求めて旅にでるなら後ろを振り向くな。さっさと前を向け。」
隊長のサングラスの向こうの目は俺を真っ直ぐに見ている。
心を貫かれた。
「ごめんなさい、ううっ、分かってるんですけど、分かってるんですけど。」
どうにも出来ないと分かっているのに我が儘が口から飛び出す。
止まらない涙が机に附いた手に滴り落ちる。
冷たい。
誰も口を開かないのが耐えられなくて、半分くらい残っていたビールを一気に飲みほした。
ガタッ。
残った泡がジョッキのフチをゆっくりと伝って底に滑り落ちる。
時間が過ぎるのに、誰も喋ろうとしない。
凍りついたまま流れる時。
「・・・、さて。おい、みんな分かってるな?」
無言で俺以外のみんなが頷く。
何の事だか俺には分からなかった。
「あぁ、お前は知らないんだったな。もうお前とお別れの時間って事だよ。もーそろそろかな?」
「“そろそろ”ってどういう―――」
ガクッ
体が傾く、これは一体・・・。
そう訴える俺の目に気がついたのだろうか。
「お前にこれから俺達が行く場所を知られたら困るからな、眠るだけだから勘弁してくれよ。」
力が入らない。
「・・・、隊長、みん・・な。」
机に突っ伏していきながら見たみんなの顔は凛とした中にも優しさがあった。
「お前なら大丈夫だ、頑張れ。」
徐々に目も開かなくなる。
薄れる意識の中で、最後に伝えたかった言葉。
「ありが、と・・・・。」

カーテンの隙間から光が漏れる。
あれ、いつの間にか寝てたのか・・・。
そして今日もいつものサングラスを手に取る。
あの時、隊長が残してくれた思い出のサングラスを。

*****

あとがき
今回は細かい所に気を遣って書いてみました。
でも、やっぱり微妙な表現は難しいですね^^;
今はあんなコクヤですがこんな過去があったんだなぁと思ってもらえればうれしいかな。
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オシラセ

2009年11月11日
ホントに久しぶりに更新しました。
擬人化新しくUPしました、設定文もやっと書き足してきましたorz
作業遅くてスミマセンm(_ _)m
マイペースにぼちぼちやります^^;

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